Q&A



★「DNA」って、何ですか?

DNAの正式名称は、デオキシリボ核酸(deoxyribonucleic acid)といいます。

英語表記の頭文字の略称を「DNA」と呼んでいます。

「DNA=遺伝子」だと思っている方が多いのですが、本当は「DNA=遺伝情報」が正解です。

DNAには、遺伝のもととなる情報「生命の設計図」があり、同じ性質を親から子へ、子から孫へと伝えていく役割があります。



★DNAは何処にあるのですか?

私たちの体は、約60兆個の細胞によって作られています。

その細胞の1つ1つに存在してる「核」というものがあり、その中にDNAが存在します。

その他に、「ミトコンドリア」にもDNAは存在します。

1つの細胞には、「核DNA」は1個、「ミトコンドリアDNA(mtDNA)」は数千個存在し、両者は遺伝形式が全く違うDNAです。

特に「ミトコンドリアDNA(mtDNA)」は母子遺伝に有効です。



★DNAの型が同じ人はいるのですか?

DNAの構造は、4種類の塩基、アデニン()、チミン()、グアニン()、シトシン()が、アデニン()−チミン()、グアニン()−シトシン()が対となって、二重のラセン状に配列しています。

私たちヒトDNAの塩基配列は、99.9%は同じ配列をしています。

残りの0.1%の差異が個人の差です。

遺伝子検査では、この0.1%の差異の部分を調べます。

この配列の仕方によって、人の遺伝子情報が決定されます。

基本的に一卵性双生児を除き、各個人のDNAは異なると考えられています。

現在ある機関で行っているDNA型鑑定を用いると、計算上、日本人に最も多く見られる型の組み合わせでも、同一の組み合わせを持つのは約4兆7千億人に1人という極めて高い精度での個人識別が可能で、同じDNA型が出現する可能性は極めて低いと言えます。





★「短期型DNA採取保管」って、何ですか?

「短期型」は保管期間を意味します。

「短期型DNA採取保管」の保管期間は3年間です。

その後は、
1)返却する 2)破棄する 3)保管期間の延長するから選択します。

保管期間を延長する場合は、原則1回のみ3年以内です。

保管期間の延長は、「短期型DNA採取保管」を行った歯科医院とのオプション契約(有料)となります。

「DNA採取」は、

 DNA採取は、お口の中の頬の粘膜細胞から採取します。

 「短期型DNA採取保管」取り扱いのできる歯科医師は、DNA採取や個人情報の取り扱い等の研修を受けたスペシャリストです。

「保管」は

 採取したDNAを、FTAという特殊なカードに移して保管します。

 保管は、第3者である「短期型DNA採取保管」取り扱いの歯科医院と神奈川歯科大学の2か所で保管されます。

 第3者によって保管されているDNAは、裁判や警察等の証拠として用いる ことができます。

 保管期間が終わり返却されたDNAは、証拠能力は無くなりますが、プライベートで使用することは可能です。



★「短期型DNA採取保管」でDNA分析までしますか?

「短期型DNA採取保管」では、DNA分析はしません。

あくまでもDNAを「採取」「保管」することが目的です。

必要があって、DNA鑑定を行う場合は、歯科の分野では対応できませんので、しかるべき鑑定会社等をご紹介します。



★裁判所や警察から証拠として「短期型DNA採取保管」されているDNAの提出を求められたら?

「短期型DNA採取保管」の保管期間中ならば、本人に確認後、第三者証明書を添付して提出することが出来ます。
その際、歯科医院から発行される第三者証明書の文章料は本人負担になりますので、歯科医院にお支払下さい。



★保管終了後、返却された「短期型DNA採取保管」はどう取り扱えばいいですか?

DNAを採取保管した時に受け取った「短期型DNA採取・保管契約(預り書)」と一緒に保管して下さい(できれば、別々の場所に保管しておくことを勧めます)

DNAは常温で保管できますが、湿気や水に弱いので、密封できるビニール袋などに入れて保管することが必要です。



★警察等から、「本人と確認できるもの」の提示を求められたら?

保管中ならば、「短期型DNA採取保管」が保管されている歯科医院でお受取り下さい(その時点で「短期型DNA採取保管」の契約は解除されます)

第三者証明書が必要な場合は発行いたします(有料)

保管終了後に返却された「短期型DNA採取保管」がある場合は、そのままお渡し下さい。



★DNA採取保管が、身元確認(個人識別)において優れている点は?


日本における身元確認(個人識別)は、「指紋」「歯型」「DNA」の3つの方法で確認されます。
今までは「指紋」や「歯型」による身元確認がよく利用されています。しかし、それらは変化させようと思えば変えることができます。
最終的な決め手となりえるのが、生まれてから死ぬまで変わることのない「DNA」なのです。
東日本震災などのケースでは、被災者が通院していた歯科医院も被災して、照合する資料が入手困難になってしまいましたし、「指紋」は警察などに特定な方のデータしか存在しません。
「短期型DNA採取保管」では、3年間の保管期間中DNAを採取した歯科医院と神奈川歯科大学災害医療歯科学法医歯科学講座の2か所で安全に保管されます。



★「短期型DNA採取保管」は個人の遺伝子情報を取り扱う上で、どんな点に配慮していますか?

「短期型DNA採取保管」は、DNA鑑定(分析)はしないので、個人情報が

漏れる恐れはありません。
すべてにおいて匿名化されていますので、万が一、盗難や紛失されても、誰のDNAかは判らないようになっています。
また、「短期型DNA採取保管」を取り扱う歯科医師も、ワークショップで理解と訓練を深め、トラブルや間違いを起こさないように十分な配慮がなされていす。
「短期型DNA採取保管」保管期間満了後に返却を希望された場合、DNAが収められているFTAカード入りの封筒は、勝手に開封すると無効になりますので注意して下さい。



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